研究内容
- 加工の知能化を実現するサイバーフィジカルシステムの開発
- 切削加工における不安定現象(びびり振動)の解析・回避・抑制
- 低周波振動を利用する切削加工
- 研磨現象のシミュレーションと強化技術開発
- その他
切削・研磨加工の知能化を実現するCPS開発
機械システムと加工プロセスのデジタルツイン技術(実現象を仮想的にコンピュータ上で再現するシミュレーション技術)の開発に取り組みます.さらに,デジタルツインを高精度化するための,機械内部情報(モータ電流等)の逆解析技術を開発します.これが実現されると,現実の加工現象やその加工品質(例えば粗さや加工精度)を精度良く予測できるようになります.この技術を利用して系を最適化するシステムはサイバーフィジカルシステム(Cyber Physical System; CPS)と呼ばれ,近年注目されています.CPS技術の実用化を目指し,切削機・研磨機やその制御機など,各業界のトップメーカーと共同で開発に取り組みます.
切削加工における不安定現象(びびり振動)の解析・回避・抑制
切削加工の現場では,びびり振動と呼ばれる不安定現象がたびたび発生します.この現象は,生産効率に大きな制約を与え,経済的な不利益を引き起こします.この現象を解決できれば,産業界に革命が起こるといっても過言ではありません.本研究室では,実現象を真に取り扱うことのできるびびり理論を構築し,不安定現象の応用的な回避・抑制技術を提案します.切削における重要課題を解決する究極技術開発に取り組みます.
低周波振動を利用する切削加工
主軸回転と同期させながら送り各軸を切削方向に振動させ切削を行う方法で切削中に“空振り”時間を設けることで効率よく切りくずを分断しながら加工します.切削抵抗や切削温度の低減効果が認められ工具摩耗抑制が期待されています.
研磨現象のシミュレーションと評価技術開発
研磨現象には解明されていない未知の部分が多くあります.本研究室では,半導体製造に用いられる機械化学研磨技術(Chemical Mechanical Polishing; CMP)を対象として,様々な研究を実施します.研磨性能を決定づける研磨効率(プレストン係数)の動的・空間的分布関数をモデル化し,これを用いたモデルベースプロセスシミュレーション技術の開発に取り組みます.さらに,研磨パッドやスラリーの状態を計測する技術を開発し,高精度な研磨シミュレーションの実現を目指します.
その他(積層造形物の後処理加工)
その他にも,3Dプリンタによる造形物の後加工技術など,様々な研究に取り組む予定です.