インテリジェントルーム
-ジェスチャを用いた直観的な家電操作-

  部屋にある家電機器をリモコンやスイッチなどを使用せず,ジェスチャで操作する研究です. このシステムは,天井に設置したビデオカメラの映像から操作者のジェスチャを認識し,テレビのチャンネル操作,ボリューム操作などが行えます. システムは「手振り認識」,「指さし認識」,「指の本数認識」,「手のUP/DOWN認識」などから構成され, 「操作者の位置の特定」,「操作対象の特定」,「テレビのチャンネル切り替え,ボリューム調節」などの具体的な操作が可能です.今後は口唇動作によるジェスチャ認識の導入を検討していきます.
img01
  インテリジェントルーム概要図
  インテリジェントルームデモムービー
→demo( .wmv 13MB )


-関連論文-

周期運動検出に基づくジェスチャ認識

  本研究室では,単純な周期的動作である手振り動作に着目し,動作者の位置を機械に伝えることを目的とした画像からの手振り動作認識手法を構築しました.しかしながら,この手法は手を左右に振るなどの繰り返し動作の有無を認識するのみで,伝達可能なジェスチャは1種類のみです.
  本研究では,この手法を拡張し,複数の単純な意思伝達を可能にする周期ジェスチャ認識手法を提案しています.具体的にはまず,低解像度化した濃淡画像の各画素に対して時間軸方向のFFTを行うことにより得られる振幅スペクトルを用いて周期運動領域を検出します.次に,周期運動領域から手の動作領域を抽出し,その領域内の位相スペクトルを用いて周期ジェスチャの種類を識別します.
  提案手法は,直感的かつ非接触での動作を可能にし,濃淡画像を用いることで,照明環境や肌色の個人差に対してロバストに周期ジェスチャを認識できます.さらに,あらかじめ肌色情報を用いて手領域を抽出するといった画像処理は必要なく,簡潔な処理を実現できます.したがって,システムの小型化,ハードウェア化が期待でき,汎用性のあるインタフェースが実現できると考えられます.
img01
  周期ジェスチャの例

-関連論文-

手振り認識を利用した肌色登録手法

  本研究では,手振り動作を利用した肌色登録手法を提案しています. インテリジェントルームにおける手振り認識は,システムにおける操作開始の合図と同時に,操作者の位置を特定させるために用いられています. この手振り認識と肌色登録を融合させることで,ユーザーに対する煩わしさを軽減させ,よりスムーズな操作を実現することを目的とします.
img01
  手振り認識を用いた肌色登録

-関連論文-
    Kota Irie, Masahito Takahashi, Kenji Terabayashi, Hidetoshi Ogishima, Kazunori Umeda: "Skin Color Registration Using Recognition of Waving Hands," Journal of Robotics and Mechatronics, Vol. 22, No. 3, pp.262-272, 2010.06.

口唇動作認識

  近年,家電機器の機能が高度化しています.それに伴って操作の複雑化や煩わしさが問題として挙げられます.その問題を解決するため,要求する機能を話すだけで家電機器の操作を可能にすることを目標とした研究です.
  このシステムは操作者の顔と同じ高さに設置したカメラにより取得した映像から操作者の唇領域を見つけ出し,その領域の画素値の変化や唇のアスペクト比の変化で口の動きを判別します.
  この研究の利点は口の動きで操作するため音声認識では認識することが難しい雑音がある環境でも使えることです.
img01 img01
  唇位置の認識   口唇動作認識
  口唇動作デモムービー
→demo( .wmv 12MB )


-関連論文-