蠕動運動型ポンプ
腸の蠕動運動
Fig.1は腸の蠕動運動の様子です。 腸の蠕動運動は次の3段階に分かれています。 まず、食塊の移動が腸壁の輪走筋を刺激します。 次に、刺激を受けた輪走筋が円環状に収縮し食塊を押し出します。 最後に、食塊を完全に押し出した輪走筋は弛緩して元の状態に戻ります。 動物の腸内では、この過程の繰り返しで食塊を運搬しています。 ここから、運搬は輪走筋の収縮力だけで行われていることが確認できます。 この観点から、腸の蠕動運動の機構を模した配管では、水の使用が少なくても固液の搬送が行えるのではないかと考えました。
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Fig. 1 Bowel peristalsis
蠕動運動型ポンプ
本ポンプは全体をユニット化しており、各ユニットは腸の輪走筋に見立てて作製されています。 蠕動運動型ポンプの外観はFig.2のようになっています 。各ユニットは腸管と同じように円環状に収縮することができます。 ゆえに、これらのユニットの収縮をあるパターンに従って行うことで、ポンプは蠕動運動し内包物を搬送することができます。 なお、ユニットの数は3以上であれば自由に増減させる事ができます。本研究では6ユニットの蠕動運動型ポンプを作製しました。
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Fig.2 Peristaltic pump
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水の搬送実験
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固体の搬送実験
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高粘度流体の搬送実験