宇宙飛行士のための抗重力筋トレーニング

研究目的

近年、国際宇宙ステーション等の有人拠点による宇宙空間への長期滞在が実現しています。 宇宙長期滞在による重力環境の変化は人間の筋力を大きく低下させます。その中でも抗重力筋と呼ばれる地上での姿勢制御をつかさどる筋力の低下が著しいです。 この抗重力筋が弱ると、地球帰還後や、他惑星探査時に宇宙飛行士は立つことができず、生活や探査ができません。 そこで現在、有人拠点でも筋力低下の対策として、トレーニング装置を用いてトレーニングを行っていますが、一般的な筋力トレーニングでは抗重力筋を十分に鍛えることはできません。 そこで他惑星探査も含めた宇宙空間での長期滞在への応用をめざし、微小重力環境下で抗重力筋を維持可能であるトレーニング手法の提案とトレーニング装置の開発を行っています。 提案手法では地上での抗重力筋の作用に着目し、重力を用いず不安定な姿勢を装置により再現し、その際に姿勢を安定させるように筋肉を使用することで抗重力筋をトレーニングします。 現在は開発した装置を用いて実験を行い、実験中の被験者の筋肉の活動量を計測することでトレーニング効果の検証を行っています。