最近は建物の遮音性が向上したことで外的騒音が低減し静かになった部屋に鳴り続ける家庭内の電化製品から発生する低周波な音が気になるという現象が増加しています。
埼玉県に住む小田部英子さんは新くマンションに住み始めてから、寝る時など電化製品から発生する音が耳につきなかなか眠れないそうです。これは共鳴という現象が部屋の中で起きている可能性が考えられます。6畳間の家屋だと音圧の高いところと低いところが一つの部屋の中で起きることがあって、音圧の高いところが耳の辺りにくるとウルサイと感じます。さらに、日本家屋特有の6畳程度の細かい間取りでは家電製品から発生する50〜60Hzの低周波音が最も共鳴しやすいと言われています。
そこで当研究室で小田部さんのマンションを調査・分析したところ、6畳間の部屋に共鳴しているところを発見しました。図の赤い部分は音圧が高いところを表していて、それがちょうど寝室の小田部さんの枕元付近と一致していることがわかりました。
このような共鳴現象の有効な対策には、マスキング効果を利用した対策が挙げられます。マスキング効果
とは、たとえばホテルのロビーや喫茶店など、人が多く集まる場所で音楽を流し、音楽で店員が食器を下げる音や人の会話などにマスクをかぶせ、騒音を気にならないようにさせることをいいます。したがって、低周波音の共鳴が気になる時は、好きな音楽をかけてその騒音を打ち消すようにすれば、電化製品から発生する音は気にならなくなるでしょう。
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