ガウディの鐘こんな響き?
構想元に久石譲ら音楽化
19世紀から20世紀にかけて活躍した建築家アントニオ・ガウディの未完の代表作としてしられるスペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリア教会.ガウディが弟子に残した言葉によると,84もの鐘が音楽を奏でる巨大な楽器になるはずだったという。その「鐘の音」を聞いてみようという世界でも類を見ない試みが,24日テレビ朝日系の番組「ガウディ・ミステリー」で紹介される.
プロジェクトに参加したのは作曲家の久石譲,建築家の沼田直樹,中央大学精密機械工学科の戸井助教授や,音響メーカーのBOSE社など。現地で同教会の主任彫刻家を務める外尾悦郎の協力を得た。
ガウディが残した構想をもとに,教会全体の完成予想図をCG(コンピューター・グラフィックス)で作成し,鐘の配置を決めることから始めた。また実際に鋳造した鐘の音をサンプリング。さらに音が教会の壁に反響する効果までを精密に計算し,それらを加味して久石が音楽を作った.
10年ほど前に,ガウディ建築を片っ端から見たことがあるという久石は「一見アーティストの感性で描いたような奇妙な曲線も,力学的に無理がないように計算されている.音楽でも合理性が重要.通じるものがあると感動した」と言う.バルセロナのあるカタルーニャ地方の民謡「ロシニョール(夜鳴きウグイス)」の選んで,アレンジした.
村上浩一プロデューサーは「サグラダ・ファミリアの完成まで,あと100年はかかると言われている.本来なら22世紀の人しか聴けないはずの鐘の音楽を聴いてほしい」と話す.
参照記事:2002年3月23日朝日新聞
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