住宅メーカーや家電メーカーにとって「心地よい音」を作り出すことが大きな課題になっています。耳障りな高周波音をカットした掃除機が大ヒット商品となったり、家族と会話をしながら洗い物ができるように水音を抑えたシンクの開発が進められるなど、家庭内の「音環境」を快適にする試みが続けられています。背景には、密閉性が高まることによって家の中で発生する音の響きが大きくなり、その残響音が精神的なストレスになったり、時には体調不良の原因になることが明らかになってきたことがあります。番組では、室内の音環境の変化によって生まれた「新たな騒音問題」の現状と、「心地よい音」を作り出すことで「騒音」を防ごうとする研究開発の最前線をリポートしています。
上の図は某家電メーカと共同研究をして実現した快音掃除機の開発段階におけるシミュレーションを示しています。着目する周波数における波形のピークをシミュレーション上で低減させ、その音を実際に聞くことで開発に際しての期間の短縮等を行うことが、可能となります。実際にこの手法を開発に利用することで、快音掃除機は大ヒット商品となりました。
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