ソフトマニピュレータ

機能性流体を用いた柔軟関節マニピュレータ

卵も割れない驚異の緩衝能力を実現!

現在,産業ロボットを初めとした従来のロボットシステムは隔離された環境で作業しています。 しかし、医療・福祉の分野では人間とロボットの自動化における協調活動が期待されているため、人間に対する安全性の確保が強く要求されています。 一方、機能性流体として注目されているER流体は、電場の印加により,その粘性が可逆的に変化するような流体です。 マニピュレータは、アクチュエータによる駆動関節とER流体を用いた受動関節をリンク上に配置されています。 これにより、作業中に人間とロボットが衝突した際、関節が折れ曲がることによって衝突力を緩和し、かつ人間に対する接触力を緩和しつつ作業をすることが可能となります。 そこで、本研究では対人衝突時の安全性を考慮したER流体を用いた柔軟関節マニピュレータを開発します。

ER流体とは

ER流体

ER流体(Electro Rhological fluid)とは、電場を印加することにより、その粘性を数ミリ秒のオーダーで電気的に可逆的かつ連続的に変化させる効果(ER効果)を示す機能性流体の一つです。 本研究ではER流体をブレーキの作動流体として使用しました。

空気圧緩衝材

空気圧緩衝材

ロボットが対人衝突をおこす際、人間に機械的損傷を与えてしまいます。 それを防ぐため、本研究では緩衝材をアームリンク全体に覆い、衝撃力緩和を目的としています。 緩衝材は中空円筒型で、内部の空気の弾性を利用して耐衝性を得ることができます。 また、緩衝材の空気封入口に圧力センサを取りつけることで、広範囲での接触検知能力を有したセンサの役割ももちます。

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