月・惑星探査用ミミズロボット

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研究目的

これまで月では、航空宇宙開発機構(JAXA)のかぐやによる探査など、様々な環境調査が行われてきた。しかし、いまだに月の地中探査は行われていない。月の地中に環境探査機器を埋没させると、これまでの調査では採取することが難しかった様々なデータを収集することができ、惑星の起源解明の手助けになる。また、月の地中資源を採集することは、人類の更なる宇宙進出につながる。これらの様な調査を有人探査で行うのは安全面・コスト面ともに非常に困難なため、無人地中探査可能なロボットが求められている。
 これまで開発されてきたロボットは、ロボットの側面を掘削孔の壁面にこすりながら推進するために土圧の影響を受けやすく、到達深度が浅いという問題があった。そこで、本研究ではロボットの推進機構としてミミズの蠕動運動に注目した。ミミズは“体の節を膨張させて掘削孔の壁面を把持し、同時に他の節を伸長させる”という動きを伝播させていくことで推進する。この移動手法では、ロボットの側面を掘削孔の壁面にこすることなく移動する。このため土圧の影響を受けにくく、土の中を深くまで進んでいくことができる。この特性を活かして、地中深くまで調査することができるロボットを開発することが本研究の目的である。