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〜Professor〜
 物づくりこそが日本の生命線だと世間では良く言われています。 実際に物づくりについて学んだ学生は就職に関しては比較的有利なようです。 物づくりについて学んだ学生は有用かつ特殊な知識を持つ者であると考えられているからです。若い人が将来設計をする場合、ここに考慮すべきポイントのひとつが隠されています。つまり、物づくりに関する有用かつ特殊な知識を持てば喰い逸れがないということです。第1に物づくりが良いわけです。次いで有用な技術知識を持つことが良いわけで、 最後にそれが特殊な技術知識であることが必要だということです。さて、精密機械工学科はたいてい物づくりの技術知識を扱っていますし、今のところ、それらはかなり有用だと評価されています。そして、我が井原研究室では現在、生産システムに関しては「思考モデル型」という新開発の技術知識を武器に、マイクロ・ナノ加工に関しては「モーメント近似」という、やはり新開発の技術知識を武器にして研究を進めています。これらはかなり特殊な知識なのです。だってまだ開発したばかりだからです。あなたも、精密機械工学科の井原研究室で一緒に勉強・研究をしてみませんか?


〜Research〜
 井原研では、加工、特に「機械加工」に関する精密さを追及している。実は、精密な加 工の全体像を把握するためには奇異に感じられるかも知れないが、旧来から「科学的要素」に加えて必ず熟練技術や匠などといわれる「人間的要素」について語られる。しかしながら、前者については分子・原子レベルでの加工に関して未解明な点が多く、後者については科学的なアプローチがほとんど成されていない。そこで、井原研ではナノメートルオーダの除去加工法(原子間力顕微鏡などを用いる)と、加工によって現れた新生面における分子・原子レベルでの諸反応についての研究を行うと同時に、アジア各地に広がったグローバルな生産加工システムを対象に、各地域の人間挙動やその文化が及ぼす精密な加工への影響/効果(生産文化と呼ばれる)について研究している。井原研では上の研究コンセプトに基づいて、研究テーマをM4、MEMS、生産文化(ハーネッシング)、 NewOJTの4つの班に分けて、研究を行っている。M4、MEMSは機械加工に関する精密さを追求し、生産文化(ハーネッシング)、NewOJTは生産分野における人間挙動や生産文化やOJTシステムについての研究を行っている。

M4班( Micro Meso Mechanical Manufacturing)
 「切削」では外部から力学的なエネルギーを工具切れ刃(くさび)先端に集中することによって被削材内部の原子結合を切るが,そのエネルギーのほとんどは排出されるため,散逸構造を形成すると言える.したがって,仕上げ面などから成る散逸構造は,エネルギー授受に関与する要素に強く依存し,マルチスケールな解析を避けることはできない.特にミクロな観点からは切削界面での電子論的な挙動解析が必要とされる.

MEMS班( Micro Electro Mechanical System)
 近年、微細加工技術の発達は著しい。よって更なる加工の微細化が求められ、そのために微細領域での加工メカニズムの解明が不可欠である。本研究では、ニオブ酸カリウム(K4Nb6O17)という厚さ2nmの層を持つ層状化合物を対象として、AFMの探針を用いて切削加工を行うことによりnmスケールでの部材の製作を目指している。 また、ニオブ酸カリウムの機械的特性、除去加工原理を求めるために、分子動力学法によるシミュレーションを行っている。

New-OJT班
 企業の生産拠点のグローバル化,平成不況期の採用手控えによる企業での教育者役技能者の不足,技能者への多能工化の要求ということが原因で,従来のOJT(On the Job Training)を行うことが困難となっている.そこで実技指導者の代替としてアーム型移動ロボットを使用し,PC教示などの要素を加えたe-Learningによる時間や場所に縛られない技能教育システムを構築した.現在,個々のレベルに対応した学習を行うシステムを築き,技能レベルの高い技能者を育成することを目指している.

Harnessing班
 環境変化に素早い対応をしなければならない製造業にとって,技術会議における発言数が少なかったり,意見の収束に時間がかかったりすることは致命的な欠陥となりうる世の中となっている.そこで,技術会議を活性化するために「制度」の概念を援用した手法を検討している.制度はルール,予測,規範,組織からなるシステムであるので,技術会議に様々な予測・規範,あるいは組織の要素を持ち込むことで,技術会議の活性度(意見数増・時間短縮)を高めるための制度設計を実施している.

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実験装置



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