&size(30){[[Research]]};
 CENTER:&size(30){iSpaceにおける知的活動支援};
 CENTER:&size(25){身体性を用いた空間メモリ};
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 [[新妻 実保子>http://dfs.iis.u-tokyo.ac.jp/~niitsuma/]]
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 #contents
 1. ''空間メモリとは''
 
 ** [[空間知能化]] [[Intelligent Space]] [#kf9f9e8f]
 人間の知的活動をより高度化するために空間メモリを提案している.人間の学習,思考,創造などの様々な能力から実現される知的活動においてもっとも重要な役割を果たすものの一つとして,「記憶」(知識や情報を含めて)がある.知的活動を行う際には,シーケンシャルな知識・情報の活用と思考が不可欠である.同時に,複数の知識を並列的に並べてその関連性を見出して問題を創造的に解決するということが知られている.しかし,コンピュータを用いて並列的にデータを活用するにはマウスやキーボードなどの機器の操作を必要とし,コンピュータと人間の知的活動との融合は限定的なものになっている.したがって,必要な知識や情報の瞬時かつ直感的な利用とそれらの持続的な蓄積を実現することは,活動の障害や思考の妨げを抑制でき,知的活動がより高度化になるものと考えられ,そのようなコンピュータと人間とのインタラクションを実現するための新たなインタフェースが必要であると考える.
 
 ** [[ネットワークロボティクス&ハプティックインタフェース]] &br; [[Network robotics & Haptic Interface]] [#o72d15d5]
 そこで,空間内に人間の身体を基準とした3次元のメモリアドレスを埋め込み情報を蓄え,人間の身体性を用いて3次元位置を指し示すアクセス法によって蓄積された情報を利用できる空間メモリを提案している.空間内に蓄積される情報は人間の有する知識や情報など活動に必要な情報を電子化したデータである.人間が空間へ蓄積する情報と三次元位置を決めると,空間メモリシステムが自動的に情報と三次元位置とを関連付けてタグ付けし,情報は空間メモリ内のデータ(空間データ)として管理される.この仮想的なタグをSpatial-Knowledge-Tag(SKT)と名づけている.空間メモリの概念図を図1に示す.図中の円柱や直方体がSKTを可視化して表しており,オブジェクトの大きさはSKTへのアクセス範囲を表している.図のように,人間やiSpaceシステムが物理的な位置や物に関連付けて空間データのアドレスを決定することにより,実世界の情報が電子情報へアクセスするための想起トリガとなることから,直感的なアクセスが可能になる.すなわち,物理的位置を指差すことによって蓄積済みの空間メモリ情報の取り出しが実行され,図中の大型ディスプレイ,PDA及び移動ロボットによって表示(実行)される.
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 CENTER:&ref(SHInew-in-iSpace.png);
 
 CENTER:図1 空間メモリの概念図
 
 3次元空間をメモリとして扱うことの利点として次のことが挙げられる.空間内の機器の配置や人間の位置を空間メモリの想起トリガとして活用することが可能になり,情報の蓄積やアクセスを直感的に行える.また,空間メモリを人間の身体を原点とした座標系に定義すれば,身体とともに持ち運ぶことができインテリジェント・スペース内のどこにいてもいつでも必要な情報の出し入れが可能になる.さらに,身体動作によるアクセスにより特殊な機器の操作法を習得する必要がないということが挙げられる.
 
 直感的でスムーズな空間メモリへのアクセスを実現するためには人間の3次元空間におけるアドレッシング特性を検証し,適切なアクセス領域を設けることが必要である.そのため,空間データへのアドレッシングにおける誤差の経時変化を調べる実験を行った(図2).この結果より,人間は約1日経過後にも約20cm程度の誤差で3次元座標を指し示すことができる.一方,人間の作業状況を変えて他の作業を行いながら空間メモリを利用する実験を行った場合は,空間メモリを指し示すだけの場合に比べて誤差のバラツキが大きくなる(図3).したがって,空間メモリ配置間隔は空間メモリを用いる人間の活動状況やアプリケーションを考慮して設計する必要がある.
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 CENTER:&ref(ExperimentSKT-1.png);
 
 CENTER:図2 アドレッシング位置とその誤差
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 CENTER:&ref(ExperimentSKT.png);
 
 CENTER:図3 作業内容を変えたときのアドレッシング
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 2. ''空間メモリアプリケーション''
 
 2.1 ''画像検索のための空間メモリ''
 
 空間メモリを可視化することにより,人間は直接手で画像データを操作することが可能にする.
 人間は計算機には及ばないほどの視認識能力や推論力や直感を持っており,
 データ容量や計算速度などの計算機能力と人間の能力をうまく融合することにより,より快適で効率的な作業環境を実現する.
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 これまでのジェスチャを用いたデータ操作インタフェースとの違いは,
 空間メモリの場合はデータを移動させる動作とデータの存在する位置が1対1に対応している点である.
 したがって,人間はファイル名やフォルダ名ではなく,動作や映像の記憶に基づいて直感的にデータへアクセスすることが可能である.また,仮にデータの置き場所を忘れた場合にも,空間中の思い当たる位置へ手をかざすことで
 データの検索が可能である.
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 CENTER:&ref(SKTapplication-ImageSearch.png);
 
 図4 作業領域の分割:画像検索支援ツールとして次の2点が要求される.(1)個々のデータの詳細を見れること,(2)大量のデータを利用できること.したがって,1つのSKTに1つのアドレスを割り当てる領域と複数のSKTを1つのSKTとして管理するハイブリッドなデータ構造を実現する.
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 2.2 ''DIND機能としての空間メモリの埋め込み''
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 iSpace内での人間の位置に基づいて,適切な機器を選択して空間データを表示(実行)することにより,
 よりシームレスな利用が実現される.そのためにはDIND間の協調が必須である.
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 CENTER:&ref(spatialmemorysystem-iSpace.png);&br;
 図5 iSpaceにおける空間メモリプロセスの位置づけ
 

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